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オール電化にする前に知っておきたいポイント

2020年09月16日

注文住宅で使用するエネルギー源の選択は省エネの観点からも大切になっています。住宅で使用するエネルギーを全て電気に統一するオール電化は、電気代の割引が普及している地域で増加傾向にあります。住宅をオール電化にするには、新築時点で導入コストをかけて整備する必要があり、他のエネルギーを使わない決断が求められます。オール電化により住宅の安全性が高まり、電力の効率的な利用が可能となるのです。

オール電化は停電時に使えないなどのデメリットがあり、災害対策の点から問題となることがあります。使用する電気はお昼は使用が増えて使用料は比較的高額ですが、夜間は使用量が減ることから割引されることがあります。コスト面から考えると、オール電化は導入コストは高いものの、一部の地域で電気代が割安となる場合もあるのです。

オール電化はガスや灯油を燃やすことにより発生する燃焼ガスを無くすことができる点で、安全な試みと言えます。室内で火災の発生する危険も大幅に減り、安心して暮らすことができるメリットは計り知れません。このシステムが伸びてきた背景は太陽光発電装置の普及やエコキュートなど燃焼機器の開発により、すべてのエネルギーを電気に置き換えやすい環境が整ったことがあります。また、電子力発電所が全国で建設され、大量の電力が安定して供給されるようになった背景も関与しています。

オール電化は他のエネルギーを併用する場合と比べて必ずしも費用が安くなる訳ではありません。新築時のイニシャルコストは灯油やガスを使用した給湯器と比べて安くはありません。ランニングコストである電気料金は夜間の割引を利用した分は安くなるものの、暖房費や給湯費は他のエネルギーと比較して高くなることもあります。

災害時はエネルギーを一つにしたデメリットが出やすいと言えます。過去の震災でもオール電化の住宅では電気の供給がストップすることにより、燃料を使う家事の全てがストップする事態が報告されています。また、新築時にオール電化を採用した住宅は、その後にガスや灯油にエネルギーを変更しようとしてもかなり難しい面があることが知られています。安定した電力供給が前提のシステムなので、電気代が高くなったり電気の供給が不足する事態となればうまくいかなくなるのは必定です。このシステムを導入する場合はメリットとデメリットを把握した上で、災害時も含めたリスクコントロールに配慮することが大切となります。